「庭の木にハチの巣ができてしまった」「害虫駆除業者へ頼む前に、自分で対処したい」という方へ、ハチの駆除を自分でする方法を解説します。ハチの巣駆除を自分でするときに必要な道具や注意点を説明するほか、害虫駆除業者へ依頼するポイントもあわせて説明します。
家の近くに巣を作るハチの種類

自分でハチの巣を駆除するとき、事前に対象のハチの種類を確認しましょう。発生したハチの種類によっては危険性が高いため、害虫駆除業者への依頼を検討した方がいい場合もあります。
ミツバチ
ミツバチは護身用の針があるものの、おとなしく攻撃性の低いハチです。木の裏など暗い場所へ巣を作るので、家の場合は床下や屋根裏にできるケースが多く、年々大きくなります。巣は、平たい板状をしており何枚も重なっている場合があります。
アシナガバチ
ミツバチより攻撃性はあるものの、ほとんど人を刺しません。ただし針の毒性が強いため、危険性の高いハチです。アシナガバチの巣は六角形の構造がむき出しになっており、10~15cmほどのシャワーヘッドに似た形をしています。軒下や庭の木、玄関、ベランダなど雨風をしのげる場所に作るケースが多いです。寒い時期にはハチが死ぬため、翌年も同じ場所で巣を使うことはありません。
スズメバチ
最も攻撃性が高く、毎年刺されて死者が出るほど危険なハチが、スズメバチです。ベージュや茶色をした、マーブル模様のあるボール状のハチの巣を見つけたときは、近づかずすぐに害虫駆除業者へ連絡しましょう。スズメバチは庭先の木や軒下に25~30cmほどの巣を作りますが、冬になるとハチは活動せず、翌年には使いません。
自分でハチの巣を駆除する方法

庭先や軒下などにできたハチの巣は、あらかじめ駆除方法を確認してから、作業を始めましょう。ただし全てのハチの巣を、専門知識のない個人が駆除できるわけではありません。素人が駆除できる可能性があるハチの巣かを見極めて、駆除を進めましょう。
日中にミツバチの巣か確認する
自分で駆除しても比較的安全な種類は、ミツバチの巣です。手が届く高さで巣のサイズが直径15cm以内の巣かを、明るい時間帯に確認しましょう。このときに、巣穴の位置も確認しておきます。
21時以降に巣へ殺虫剤をかける
防護服を着用して完全防備をしたあと、赤いセロハンで覆った懐中電灯を使って、巣穴を確認します。巣穴へ近づき、ハチ用の殺虫スプレーを吹きかけましょう。出てきたハチにも殺虫スプレーをかけて駆除し、巣穴へ光をあてて出てきたハチも同じように退治します。
巣をゴミ袋へ落としてつぶす
最後にハチの巣を、虫取り網に取り付けたゴミ袋の中へ落とします。ゴミ袋の中で幼虫を確実につぶし、ハチの巣を完全に壊したあと、殺虫剤を吹きかけます。あらかじめゴミ袋を二重にして使うことがおすすめです。退治したハチの針には毒性が残っているため、手で触れずほうきとちりとりではき取り、ゴミ袋へ入れて口を固く閉じて捨てましょう。
巣のあったあたりへ殺虫スプレーをまく
ハチの巣を駆除したあと1週間程度は、巣のあった場所へハチが飛び回ります。殺虫スプレーをまいて、再度ハチの巣が作られない対策をとりましょう。
自分でハチの巣を駆除するために必要な道具

自分でハチの巣を駆除するときは、あらかじめ必要な道具をそろえましょう。用意するものと目的を解説します。
防護服
駆除したいハチの巣が6cmを超える場合は、必ず防護服を用意しましょう。素材や機能によって異なりますが、3,000円前後で購入できます。自治体から無料貸出している地域もあるため、お住まいのエリアの公式サイトなどを確認しましょう。防護服を用意できない場合は、長袖長ズボンを着た上から雨ガッパを重ね、首元にはタオルを巻きゴーグルを着用します。どのアイテムも白に近い、明るい色のものを選び、黒や紺に近い濃い色は避けます。肌を出さない工夫をして、ハチの巣駆除を始めましょう。
ハチの巣駆除用殺虫スプレー
ハチ専用の駆除スプレーは強力噴射ができ、10m離れた先へも薬剤を飛ばせるタイプもあります。実際に使う本数だけでなく、予備で1本あると安心です。ハチの巣用殺虫剤がない場合は、合成プレスロイド系成分の入った殺虫剤で代用できます。
赤いセロハンで覆った懐中電灯
懐中電灯のそのままの光はハチが寄ってくるため、赤いセロハンで覆った懐中電灯を用意します。
ほうき・ちりとり
退治したあとのハチの巣や、動かなくなったハチを片付けるために使います。針に毒性があるので直接手で拾うと危険なので、ほうきとちりとりを使って片付けましょう。
虫取り網・ゴミ袋
ゴミ袋を2枚重ねて、虫取り網の編み部分へ取り付けたものを用意します。作業中に穴があいたときに備えて、ゴミ袋の予備が何枚かあると便利です。
自分でハチの巣を駆除するときの注意点

自宅の軒先や庭の木などにできたハチの巣を自分で駆除するときは、以下の注意点を知った上で行いましょう。
ハチの巣の駆除は、日没から2~3時間ほどたった時間帯が適しています。日中は、ハチはエサを探しに出巣の外へ出ていますが、夜間は巣へ戻り休憩しているため、一気に駆除できるからです。夜間の方がハチの動きも鈍くなるため、ハチと巣の両方をまとめて駆除できます。
強いにおいはハチに対する刺激になるため、香水・整髪料・においの強い柔軟剤は使いません。人の汗のにおいにもハチは反応するので、駆除する前にシャワーを浴びることもおすすめです。ただし、体を洗うときににおいのするボディソープ・シャンプー・トリートメントなどは使わないようにしましょう。
害虫駆除業者にハチの巣駆除を依頼するときの選び方

自分では手に負えないハチの巣がある場合、早急にハチ駆除業者へ依頼しましょう。数多くの害虫駆除業者があるため、安心して頼めるハチ駆除業者の選び方を紹介します。
ホームページで実績や口コミを確認する
害虫駆除業者の公式サイトで実績を確認し、実際にハチの駆除を行っているか確かめます。口コミも合わせてチェックし、対応内容などを見た上で依頼先を決めましょう。
駆除できる害虫の種類は多いか確かめる
ハチの巣だけでなく、他の害虫の駆除も必要になるケースに備えて、害虫全般に対応した駆除業者が安心です。
相見積もりをとって料金を比較する
ひとつの業者を調べるだけで終わらず、複数の専門業者の情報を集めて、作業内容と料金を比較します。1社調べただけでそのまま頼むと、相場より高い料金を請求される可能性があるからです。中には、現地で行う見積は有料の業者もあり、無料見積が可能な業者から選ぶと出費を抑えられます。
保証内容やアフターサービスを調べる
優良な害虫駆除業者は、ハチの巣の駆除後の保証も用意しています。ただし料金に含まれているか、追加料金が必要かは、業者によって異なるため見積時に確認が必要です。
ハチの巣駆除は専門の害虫駆除業者に依頼しよう

庭の木や軒下などにハチの巣を見つけたときは、早めに駆除しましょう。飛んでいるハチやハチの巣の形状から種類を見極めて、危険性の高いハチだとわかった場合は、専門の害虫駆除業者へ依頼すると安心です。害虫駆除業者へ頼むときは、事前に実績や口コミを確認し、相見積もりをとって料金を比較することをおすすめします。