掛け軸は作家や作成時期など様々な要素により、価値の有無が判断されます。具体的にどのような要素で価値が決まるか、見分け方について紹介します。更に、掛け軸の高価買取の方法や保存方法などにも言及していくので、買取の際に参考にしてみましょう。
掛け軸の価値を決める要素
掛け軸の価値を見極めるポイントは、いくつかあるので見ていきましょう。
作品の内容と肉筆
掛け軸の中でも、山水画や花鳥画は価値が高く、高額なジャンルになります。更に、色彩豊かなものが好まれるでしょう。また、作家が手書きで描いた作品である肉筆は、複製品よりもかなり価格が高くなる傾向にあります。
作家
江戸時代に活躍した丸山応挙や、明治時代の女性画家である上村松園、中国出身の斉白石の掛け軸は価値が上がります。更に、花鳥画で有名な伊藤若冲や、青森出身の棟方志功も有名画家です。
作成時期
掛け軸の作成時期は、古いものにより高い価値があります。掛け軸は中国から仏画として日本に伝わり、のちに鑑賞用となりました、現存する古い掛け軸は、数が少ないため貴重です。
入手経路
掛け軸は入手経路によっても、価値が決まります。美術館に展示されていた、有名なコレクターが所有していたものなどは、高い評価を受け高額となります。相続や販路が明らかであれば、それだけ価値が上がるでしょう。
保管状態
損傷がなくて見た目がキレイ、色あせがなく鮮やかさが維持されている、虫食いやカビなどがないなど保管状態のよいものも、価値が高くなるでしょう。
鑑定書の有無
鑑定書の有無は、掛け軸の価値を左右します。鑑定書があれば、本物だという証拠になるからです。
価値のある掛け軸の見分け方
価値の高い掛け軸か否かの見分け方はいくつかあるので紹介します。
有名作家の作品か
掛け軸の作家が誰かも、価値を左右する大きなポイントとなります。有名作家のものであれば、高額となる可能性が高いでしょう。調べ方としては、掛け軸の表か裏の隅に落款という作家のサインや印の有無を確認します。ただ、自分で読めない、本物かどうかわからないという場合は、買取業者に相談してみましょう。
古い時代のものか
掛け軸は古ければ古いほど、価値が高くなります。古く飛鳥時代の掛け軸は、仏画として残されていますが、数は多くありません。その後、鑑賞用として作成され始めると流通量が増えていき、古いものよりはやや価値が劣るとされているのです。
希少価値が高いか
手に入りにくい、市場に出回っていないレアな掛け軸は欲しいというコレクターも少なくありません。年代が古く、数が少ないものなど希少性のある掛け軸は、価値が高いと言えるでしょう。
掛け軸の出どころ
掛け軸はその入手経路によっても、価値の有無が左右されます。有名なコレクターが持っていたもの、著名人から譲り受けたもの、美術館などで展示してあったものなどはそれだけでも、既に価値があると判断されるのです。
掛け軸の価値の保つための保存方法
掛け軸は正しい方法で保管することで、よい状態を長く保つことが可能です。ではそのベストな保管方法を紹介します。
直射日光を避け桐箱で保管する
直射日光に長時間あたる窓際や照明のあたる部屋に掛け軸をかけると、色あせや劣化が起こりやすくなるので注意が必要です。更に、掛け軸は湿気を避けて、劣化を防ぐ共箱という専用の桐箱に保管しましょう。
雨天や多湿な日に桐箱への保管は避ける
雨や湿気の多い日に掛け軸を桐箱に入れると、箱の中に湿気が入り込み、掛け軸にカビが発生する可能性があります。掛け軸は晴天で乾燥した日に、桐箱に収納するようにしましょう。
専用の防虫香を使う
掛け軸は紙や絹で作られており、虫食いにあいやすいとされています。そこで防虫対策として、掛け軸保管専用の防虫香を入れることをおすすめします。防虫香は、掛け軸を傷めずに虫害から守ってくれるからです。
年に2回は虫干しをする
掛け軸は長期間収納したままだと、虫食いやカビが発生する可能性があります。そのため、年に2回、梅雨明けと秋の乾燥した日に桐箱から出して、数時間陰干ししましょう。そうすることで、掛け軸の湿気が取れ、虫食いやカビを防ぎ長期間価値の高い状態を維持することができます。
掛け軸を高価買取してもらう方法
掛け軸を少しでも高値で買取してもらえるポイントを紹介するので、参考にしてみましょう。
掛け軸を買取してもらう際は、収納に使われている木箱や鑑定書、関係書類などの付属品も揃えておくとよいでしょう。付属品があれば、作品から読み取れない作者や作成時期、入手経路などが判明する場合があるからです。
掛け軸は丁寧に保管していても、シミや汚れ、カビなどが発生してしまう場合もあります。できる限りキレイな状態の方が高く売れるから、自分で修復を試みるという方もいるでしょう。しかし、無理に素人が手入れを行うとかえって状態が悪化し、更に価値を下げることにもなりかねません。無理な手入れはやめましょう。
掛け軸は入手経路によって、価値が決まる場合も少なくありません。以前の所有者が誰であったかが、ポイントとなります。著名な美術品コレクターや美術商などであれば、信用度が高まり、評価されやすいと言えるでしょう。購入時の領収書なども見つけ出して置き、買取時に業者に提示することをおすすめします。
掛け軸は1点ずつ個別に査定に出すよりも、まとめて出した方が買取額アップにつながります。査定のための時間や手間が省け、コストカットになるからです。
掛け軸は、専門知識を要する骨董品専門買取業者に買い取ってもらうとよいでしょう。掛け軸の価値をきちんと見極め、適正な価格を付けてもらうことができるからです。
掛け軸を買取する骨董品業者を選ぶ方法
掛け軸の買取業者を選ぶコツについて紹介するので、参考にしてみましょう。
買取実績が豊富な業者は、多くの掛け軸を査定してきた経験があるので安心できます。また自分が売りたい掛け軸と同じ作家、作成時期のものが実績としてホームページなどで紹介されていると、相場などもわかるので依頼しやすいでしょう。
掛け軸を査定するには、専門の知識や知見が必要となります。専門性の高い鑑定士や査定員が対応してくれなら、適正な査定が行われるはずです。正しい査定により、適切な査定額が算出されるので損することもなくなるでしょう。
掛け軸の買取方法は、店舗に出向く店頭買取や査定員が自宅を訪問してくれる出張買取、業者に郵送する宅配買取があります。買取方法が複数ある業者なら、選択肢が広がって利用しやすいと言えるでしょう。
申し込みから査定、買取額の支払いまでの利用手順がわかりやすく、査定料やキャンセル代もかからない業者なら良心的だと言えます。更に、査定額の算出についても丁寧に説明してくれる業者なら安心です。
掛け軸は買取額が高額になるものもあるので、依頼する業者が信頼できるか否かが重要です。口コミなどで評判を調べ、実際に問い合わせてみて、丁寧に対応してくれるかをチェックしてみることをおすすめします。
おすすめの骨董品買取業者
掛け軸の買取は骨董品買取業者に相談してみよう
掛け軸は美術品の一種であり素人が見ても、価値がわかりにくいものです。もし買取を希望する場合は、専門知識のある人に適正に鑑定してもらい、価値に見合った額を算出してもらうことが大事です。そのためには、リサイクルショップなどではなく骨董品買取業者に相談してみることをおすすめします。
