法事と法要の違いは？種類や時期についても詳しく解説

法事とは、亡くなった方の冥福を祈り、ご遺族や親しい人々が集まって行う一連の行事を指します。仏教の考え方に基づき、故人を供養する意味を持つ儀式であり、読経や焼香を行う「法要」を中心に、会食やお墓参りなども含まれます。

法事の流れ

一般的には、菩提寺の僧侶にお経をあげてもらい、その後、参列者とともに会食の席を設けて、故人との思い出を分かち合います。日常の忙しさの中で、家族や親族が顔を合わせ、語らう貴重な機会でもあります。

どんな時に行うの？

法事は、亡くなってから7日ごとに行う「忌日法要」や、命日から数年ごとの「年忌法要」に合わせて営まれるのが通例です。こうした節目の供養を通じて、故人の魂を慰めると同時に、残された人々の心も整えられていきます。

法要は、法事の中心となる宗教的な儀式のことを指します。お坊さんによる読経や説法、参列者の焼香などを通して、亡くなった人が安らかに過ごせるよう祈りを捧げます。仏教の教えに基づいた、大切な供養のひとつです。

法要には主に二種類あり、一つは亡くなった日を起点に七日ごとに行う「忌日法要」、もう一つは命日から年単位で営まれる「年忌法要」です。忌日法要は初七日、四十九日などが代表的です。また、一周忌、三回忌などは年忌法要にあたります。

もともと法要には、仏法を広めるという目的もありました。現在では故人を偲び、残された人々の心を整える意味合いが強くなっています。形式だけでなく、その想いを大切にすることが、法要の本質といえるでしょう。

仏教における供養のひとつである「法要」には、いくつかの形式があります。いずれも亡き人を悼み、その魂が安らかであるよう祈る大切な儀式ですが、行う時期や意味合いによって内容が異なります。

忌日法要（きにちほうよう）

亡くなってから七日ごとに営まれるのが「忌日法要」です。最初の節目は「初七日（しょなのか）」で、命日を含めて7日目にあたります。その後も「二七日（ふたなのか）」「三七日（みなのか）」と続き、「七七日（しちしちにち）」まで続きます。この49日間は「中陰（ちゅういん）」と呼ばれ、亡き人が次の世界へ向かう大切な期間とされます。四十九日を過ぎると「忌明け（きあけ）」となり、親しい人たちが集まって読経や食事を共にするなど、改めて故人を送る場が設けられることもあります。

年忌法要（ねんきほうよう）

命日から一定の年が経過した節目に営まれるのが「年忌法要」です。もっとも早いのが亡くなってから満1年目にあたる「一周忌（いっしゅうき）」で、その翌年には「三回忌（さんかいき）」が続きます。それ以降も「七回忌」「十三回忌」「二十三回忌」などと続いていき、最終的には「三十三回忌」や「五十回忌」で締めくくるのが一般的です。これらの法要は、ご遺族や親族が再び集まり、故人の面影に想いを馳せる場にもなります。

月忌法要（がっきほうよう）

毎月の命日にあたる日に行うのが「月忌法要」です。かつては、菩提寺の僧侶にお経をあげてもらうなど、月ごとの供養を大切にする家庭で多く見られました。現在では実施する家庭は少なくなりましたが、故人とのつながりを日常的に感じられる供養の形といえます。

追悼法要（ついとうほうよう）

亡き人への感謝や祈りを込めて行われるのが「追悼法要」です。「百箇日（ひゃっかにち）」や、お盆・お彼岸などの供養もこれにあたります。命日に限らず、故人との思い出にゆかりのある日や、節目のタイミングに合わせて営まれることが多いです。

このように、法要にはさまざまな種類があり、それぞれの意味やタイミングに応じて営まれます。形だけにとらわれず、故人を想う気持ちを大切にすることが、なによりの供養となるでしょう。

故人を偲び、感謝の気持ちを伝えるために行う法要。仏教では、亡くなった日から一定の時期ごとに追善供養を行う習わしがあります。ここでは代表的な法要のタイミングをご紹介します。

忌日法要

• 初七日
• 二七日
• 三七日
• 四七日
• 五七日
• 六七日
• 七七日もしくは四十九日
• 百箇日

亡くなった日を含めて7日目にあたる初七日の法要に始まり、7日おきに法要がありますが二七日から六七日までは省略されることも多くなっています。四十九日の法要が一つの区切りで、納骨をこの日に合わせることもあります。四十九日で忌明けとすることが多いため、百箇日法要は省略されることも多いでしょう。

年忌法要のタイミング

• 一周忌
• 三回忌
• 七回忌
• 十三回忌
• 十七回忌
• 二十三回忌
• 二十七回忌
• 三十三回忌
• 三十七回忌
• 四十三回忌
• 四十七回忌
• 五十回忌
• 百回忌

亡くなった日のちょうど1年後の年忌法要が一周忌となります。その後、五十回忌までは一の位が3と7の年に行う法要が続きますが、十三回忌以降は省略されることも多いです。もともと五十回忌で弔い上げとすることが多かったのですが、近年では三十三回忌で弔い上げとするケースも増えているようです。

地域や宗派で違いも

法要の時期や回数は、地域の慣習や宗派によって異なることもあります。近年では、遺族の事情に合わせて複数の法要を一度に行う「繰り上げ法要」や、「家族だけの法要」を選ぶ方も増えています。無理のない形で、気持ちを込めた供養を続けることが大切です。

故人を偲ぶ大切な行事である法事や法要。当日を安心して迎えるためには、早めに準備を整えておくことが大切です。1ヶ月前には主要な予定を決めておくと、心にゆとりが持てます。

日取りと場所、出席者の見込みを決める

まずは、いつ・どこで・誰と行うかを決めることから始めましょう。お坊さんや参列者の予定を考慮して、法要の予定日より前の週末に行うケースが多く見られます。日時と場所を早めに確保することで、全体の流れがスムーズになります。

僧侶への連絡・手配

菩提寺がある場合は、読経をお願いするお坊さんに早めに連絡を入れましょう。特に繁忙期には希望日が埋まりやすいため、日程が決まり次第早めの相談が安心です。お寺との縁がない場合は、僧侶派遣サービスを利用するという方法もあります。

案内状を用意する

法要の詳細が決まったら、出席者へのご案内を準備します。返信用ハガキを同封すれば、出欠確認もスムーズです。特に会食を予定している場合は、早めの把握が大切になります。

お布施の用意も忘れずに

法要では、お坊さんにお渡しするお布施の準備も必要です。表書きや包み方には一定のマナーがありますので、事前に確認しておきましょう。無理のない範囲で準備を整え、心から故人を偲べるひとときを迎えられるよう、少しずつ計画を進めていきましょう。

法事と法要は、亡くなった大切な人を想い、その魂を慰めるための大切な行事です。初七日や四十九日、一周忌や三回忌といった節目ごとに家族や親しい人たちが集い、故人を偲びながら心を寄せる時間は、悲しみを乗り越え、絆を深める大切な機会でもあります。

初めての方や不安がある場合は、ぜひ「やさしいお坊さん」にご相談ください。丁寧にサポートし、心を込めた供養をお手伝いいたします。